ggrkz_puzzle

昼ぐらいにtwitter上で面白いのが流れてきた。

次に挙げる条件を満たす式(文字列)で、グーグル電卓に入力したときに特定の値になるものを見つけよ。
・1, 2, 3, 4, 5の数字を一回ずつ(順不同)含む。
・残りの文字は全てASCII非英文字である。

(1) 値が円周率(π)になるべく近い式を見つけよ
(2) 値が自然対数の底(e; ネイピア数)になるべく近い式を見つけよ

http://f.hatena.ne.jp/taitoku/20100103113627

要は、1,2,3,4,5を1回と記号だけ(何回でもOK)を使ってこれらの値に近づける、と言うお話。
興味ある人は自分で考えてみると面白いですよ。
以下、ネタばらしあります。


まずはグーグル電卓の機能を調べてみることにした。
すると、階乗(!)、累乗(^)、パーセント(%)など、面白いものが使えることが判明。
まずは円周率からという事で、単純かつ近似値を出すものを探してみる。


π=3.141592... をよく見ると、1〜5までの内、2以外が小数点下4桁までに集中している。
理論値を得ない場合は、一番近いぐらいだと思うのだけれど、

eq > 3.142 - 5%% … (1)

(1) = 3.142 - (0.05)%
    = 3.142 - 0.0005
    = 3.1415

となる。
とりあえず、として提出はしたが、そのすぐ後に理論値の計算式がタグ上に流れてきました。
まあ、大体こういうクイズって証明で最小であることを求めてあるか、理論値として唯一の解に定まるようになっていますよね……
負の小数(-1/2)の階乗がうまく利用できることを知ると、簡単に解けます。
ggrkzの名前通り、Wikipediaさんの階乗を調べると、あっさり答え(式(2))が書いてあったりします。

eq > (-1/2)! = sqrt(π) … (2)

(2)が分かれば楽勝ですね…あとは、適切に1,2を作るように配置すれば、

eq > (1/(3-5))!^(4-2) … (3)
(3) = (1/(-2))!^2
    = (-1/2)!^2
    = sqrt(π)^2 = π

です。


クイズの出題の傾向からして、この時点でネイピア数も理論値が出せるとほぼ確信。
ただ、この値が出てくる式は、オイラーの等式(式(4))しか知らなかったんですよね……
まあ、これにπが出てくるので、おそらく間違いないかなと思って挑んだわけですが。
これを変形してe = ... の形にしてみます。

eq > exp(i*PI) = -1 … (4)
(4) より、e^(i*PI) = -1
左辺をe^1にすることを考え、両辺をk乗する。
(e^(i*PI))^k = (-1)^k = e^1
これを解くと、k = (1/(i*π))
よって、求める式は
eq > e = (-1)^(1/(i*π)) … (5)

あとは、これを1..5の整数で何とかするだけです。
かなり早くに0..5による解は出ていましたが、考えている最中に自分が用事があったのでいったんギブアップ。
帰ってくると、id:rf0444が解いていました。

eq > (-1)^((-(-.5)!^4)^-(.2+.3)) … (6)
(6) = (-1)^((-(-1/2)!^4)^(-0.5))
    = (-1)^((-sqrt(π)^4)^(-1/2))
    = (-1)^((-π^2)^(-1/2))
    = (-1)^(1/sqrt(-π^2))
    = (-1)^(1/(sqrt(-1)*sqrt(π^2)))
    = (-1)^(1/(i*π)) = (5)
よって、(6) = e である。

以上、πとeを1..5のみを利用して解くクイズの回答の一例でした。
他の解も#ggrkz_puzzleに上がるかも知れません。興味ある方は別の解き方を考えて見て下さい。